米グーグル、グルーポン対抗サービス試行へ

 クーポン共同購入サービスの米グルーポンの買収に失敗したインターネット検索大手のグーグルは、中小のローカル企業を対象にし、グルーポンと競合するサービスの試行に向けて準備を進めている。

 グーグルは「グーグル・オファーズ」と呼ばれる新サービスの詳細を明らかにしていない。新サービスの目的は小規模だが成長している地元企業向けオンライン広告市場でシェアを拡大することだ。

 グーグルの広報担当者は20日、「事前購入型クーポンサービスの試行への協力と参加を求め、中小企業と連絡を取り合っている。地元企業と消費者を新たな方法でつなぐ新サービス開発の一環だ」と話した。

 関係筋によると、グーグル・オファーズ事業を担当しているのは、グーグル電子商取引部門を統括するステファニー・ティレニウス氏だという。この動きは、ニュース・ブログサイトのマッシャブルが先に伝えた。また、グーグルは消費者が携帯電話機の近距離無線通信(NFC)技術を使って地元店舗で決済できるような方法についても取り組みを進めているという。

 関係筋によると、グーグル・オファーズのプロジェクトは、グルーポンを買収する試みが昨年12月に失敗に終わった後、始まった。買収提案金額は約60億ドル(約5000億円)だったもよう。両社はコメントを拒否している。

 また関係筋によると、グーグルからの提案を拒否した後に私募形式で約10億ドルの資金を受けたグルーポンは、複数の投資銀行から新規株式公開(IPO)の提案を受けているという。

 地域企業向けオンライン広告市場はグルーポンやリビングソーシャルなどの活躍によって熱を帯びてきている。調査会社のコムスコアによると、米国では地域企業を対象にしたクーポン共同購入サイトの利用者は昨年、急増した。

 グーグルはこのほかにも地域企業に関連する取り組みを行っており、ユーザーに企業のレビューをしてもらったり、ユーザーにおすすめ企業情報を提供したりする「おみせメモ」もその一つだ。また、昨年検索エンジンに「プレイスページ」を設け、それが正確であるとグーグルに連絡してきた500万以上の企業に対し、「タグ」と「ブースト」という2種類の広告サービスを提供している。

米グーグル、グルーポン対抗サービス試行へ - WSJ.com