日本市場に攻め入る韓国 ドコモ向けスマホでサムスン首位

 薄型テレビなどで世界を席巻する韓国企業が、「難攻不落」とされてきた日本市場を本格的に攻略し始めた。NTTドコモ向けスマートフォン(高機能携帯電話)では、サムスン電子東芝やシャープなどの国内大手を押しのけて首位。テレビなども本格的に販売している。海外で韓国勢に完敗してきた日本企業は「ついにこちらの城に攻め込んできた」(関係者)と戦々恐々だ。

 市場調査会社BCNが13日に明らかにしたスマートフォンに関する調査は、最近のサムスンの攻勢ぶりを鮮明にした。同社が昨年10月末に発売した「ギャラクシーS」がドコモのスマートフォンに占めるシェアは35・8%と首位。ドコモがスマートフォンの一種と位置づけるタブレット型の多機能情報端末「ギャラクシータブ」も7・3%で、合わせると4割を超える。

 昨年12月にはシャープや東芝の国内勢もドコモ向けに対抗商品を出したが、それぞれ30・7%、20・5%と及ばなかった。

 KDDI(au)やソフトバンクモバイルも含めたスマートフォン全体の台数シェアでも、ギャラクシーSは19・7%で2位。圧倒的な強さを誇った米アップル製の「iPhone(アイフォーン)」(21・1%)に肉薄している。

 韓国勢は他の製品でも日本に進出。LG電子は昨年11月、液晶テレビを投入した。BCNによると、昨年12月のテレビメーカー別シェアでLGはわずか0・3%しかないが、同社は「5年以内に5%」の大目標を掲げており、大々的にテレビCMを打つなど技術力をアピールしている。

 「サムスンがテレビを本格投入してくるのも時間の問題」。業界内からはそんな声も漏れる。米調査会社ディスプレイサーチの調べでは、2010年の薄型テレビの世界シェア見通しは1位がサムスン、2位がLG。3位のソニーは大差をつけられている。他のデジタル家電も同様で、日本メーカーにとって母国は唯一優位を保っていた市場だった。

これまで韓国企業にとって、ブランドイメージや知名度を重んじる日本市場のカベは厚く、過去にはサムスン、LGとも撤退を余儀なくされた。自動車業界でも現代自動車が平成21年に乗用車販売から撤退した。

 だが、ギャラクシーの成功は「世界一品質に厳しい日本の消費者」から一定の評価を得たことを意味し、他の製品に広がる可能性も高い。ソニーの吉岡浩副社長は「韓国勢の動向は気になる」と警戒。BCNの森英二アナリストは「韓国製品に『安かろう、悪かろう』のイメージがなくなり、日本市場でも戦える余地はある」としている。

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